レベリング剤の機能
表面調整剤の一種で、塗工液(塗料やインク)に添加され、塗工膜(塗膜、印刷パターン)表面の平滑性を向上させます。
塗料への配合により、塗膜形成時に塗膜端部(エッジ部)が表面張力により盛り上がる現象(ガクブチ)を防止します。また、塗膜乾燥時の溶剤蒸発に伴うベナードセル発生とその結果生じる塗膜表面の色ムラ1,2)を防止します。この機能に着目した場合には色分かれ防止剤と呼ばれることもあります。
また、基材に対する濡れ不良(濡れ障害型ハジキ)や低表面張力物質の被膜への付着によるハジキ(異物ハジキ)などを防止します。この機能に着目した場合にはハジキ防止剤と呼ばれることもあります。
色分かれ防止剤、ハジキ防止剤の作用機構に関しては別の記事を参照してください。 インクに配合された場合には、ピンホール、クレーター、縞模様などの印刷不良を抑制します
レベリング剤の作用機構
レベリング剤の構造は、他の表面調整剤と同様に低極性部と塗工液相溶部から構成されています。詳細は表面調整剤の記事を参照してください。低極性部がポリオルガノシロキサンであるシリコーン系と、アルキル鎖やアクリル鎖である非シリコーン系に大別されます。
図1に示すように、レベリング剤は塗工液状態では塗工液の中に均一に混ざっていますが、被膜(塗膜・印刷パターン)形成段階で、被膜表面に移動して連続した薄膜を形成します。
被膜表面に移動するのは、レベリング剤分子中の低極性部が低極性の空気に引かれるからです。ただし、塗工液内部からの移行といっても、表面からせいぜい数ミクロンの範囲内に存在する表面調整剤のもが移行するとされています、
被膜表面はレベリング剤の極薄膜で覆われることにより、表面張力が低下するとともに、場所によらず均一になります。また、塗膜表面を被覆することで、溶剤揮発による粘度上昇を抑制し、レベリング可能時間が長くなって塗膜表面の平滑性を向上させます。

図1 レベリング剤の塗膜表面への移行と薄膜形成
文献
1.小林敏勝,「わかる!使える!塗料入門」,p.150,日刊工業新聞社(2018)
2. 小林敏勝,「塗料大全」,p.335,日刊工業新聞社(2020)